街をあるいていて、どこからともなく漂う香りに、
思わずきょろきょろしてしまう。
なんて経験、誰にでもありますよね?
それは、おいしそうな香りであったり、
どこかの庭先に咲いているお花の香りだったり、
思わず「うっ」と顔をしかめてしまうような香りの場合も。
海外を旅行すると特に、街の香りを強く感じます。
空港に降り立って、まず、海外へ来たのだと実感させてくれるのが
香りかもしれません。
そんな街の香りを閉じ込めた「香水」をつくるワークショップがおこなわれると聞き、
これは気になる!と、OSOTOが取材させていただきました。
ワークショップは、
全面ガラスのエントランスから見る、
真っ白な室内が印象的な「space_inframince」で開かれました。
ここは、「肌からはじまる身体をとりまく環境」をコンセプトに、
基礎化粧品などのアイテムを扱うメーカー「inframince」の
オルタナティブスペース。
今回の企画は匂いと嗅覚のアーティスト上田麻希さんと、
inframinceとの出会いから生まれました。
上田さんは現在、オランダで活躍されています。
「香りのアート」というと、どうしても香水や香料など、
いわゆる「いい香り」を想像してしまいますね。
ところが、上田さんの作品はけっして「いい香り」だけではありません。
記憶や感情を想起させる「香り」が作品なのです。
今回も絵画を展示するように、「香り」が展示されていました。
さて、前置きが長くなりました。
今回のワークショップでは、
大阪の街を歩いていて気になった香りの元を持ってくる、
ということが事前に参加者に知らされていました。
どのようなものが集まったかというと・・・
・谷町のお寺の香り、ということでお線香
・青果市場の香り、ということでフルーツ
・長屋の香り、ということで梁から落ちてきた樹液(のようなもの?)
・道端の花の香り、ということでそのお花
・サクラの木の下の落葉の香り、ということでサクラの落葉
・靭公園の香り、ということで公園の落葉
・カフェの香り、ということでコーヒーと紅茶
大阪らしい街の香り、ということで、
串カツやイカ焼き、道頓堀の水なども集まりました。
さあ、香りというものはどのように作るものなのでしょう?
これは香りの元によっても異なるようです、
ほとんどの方が挑戦されたのが、ホワイトリカーを使うもの。
つくる過程はこんな感じ(画像をクリックすると拡大します)。
これぞ大阪、という香りはやはり串カツの香りでしょうか。
お腹が空いてしまいそうな香りです。
サクラの落葉の香りは、桜餅の香りに少し野性味を加えた感じ。
少し香りが弱いですが「はは~ん」と思わず、
うなずいてしまったのが古本屋さんの香りでした。
これらの香りは10/2(土)から、
space_inframinceで展示予定です。(※)
上田さんの作品である、オランダの街の香りも展示されているので、
比べてみてはどうでしょう?
香りで大阪toオランダの旅が楽しめますよ。
普段何気なく街を歩いていて感じているはずの、たくさんの香りたち。
香りもおそとの魅力の一部です。
私たちを取り巻く香りの扉を開いて、
日常生活に新たな視点をとりいれてみてはいかがでしょう?
space_inframince大阪市西区阿波座1-9-12
※今回のワークショップは、
「生活とデザインの接点を探る」オランダデザイン展。
Hoi!ホイ!(オランダ語の気さくなあいさつの言葉です)
のプレイベントとしておこなわれました。
Hoi!では、ジャンルの異なる4箇所のインディペンデントスペースに、
オランダで活躍する5組のデザイナーを迎えて様々なイベントがおこなわれます。
国土の半分近くが海抜以下という、特殊な国であるオランダ。
オランダでだからこそ育まれたオランダデザインを、
その背景を通して知ることができるHoi!の詳細は
こちらのサイトをご覧下さい。■space_inframinceでの展示は、
10/2(土)から10/24(日)の12:00~20:00まで。水曜定休です。
大阪市内の地図上に、香りの旗をたてる、
香りのマップづくりもおこなわれています。
ここでこんな香りがしたよ!という場所に、
あなたも旗をたててみましょう。