昼ごろ、ゲント Vooruit 入り。
(Vooruitはゲントの劇場・音楽堂で、ご覧のとおり古く豪華な建物です。カフェも天井が高く、ディスコも昔ながらの素敵なボール・ホール。ゲントの若者は羨ましい。こんなところで仕事できるのも、光栄です。)
魔女の実験室の出張版として奇跡的にスーツケースに収まった実験器具。
今回のパフォーマンスでは、それらは舞台装置の一部でもあるのです。
(ふつうはそんなもの車で運搬するところでしょうが、我が家の車はかなり大きなバンで、なんと魔女はそのクラッチに足が届かぬため、必然的に電車となります。電車が好きなので、それもいいのです。)
依頼主のハイネはノルウェー人のコレオグラファー(演出家/振付家)。
彼の作品 drop a line はこれまでも上演されてきたものですが、今回は規模を大きくし、いろんなレイヤーでの体験を観客にオファーできるように相当な工夫を凝らしたものです。
いってみれば手・足・目・耳・舌・鼻の体全体で体験する、全感覚的な作品。
パフォーマンスの空間は、フロリストのさおりちゃん主導で森から集めてきた苔で埋められていて、それだけで気持ちのいい空間でした。
この日は貼りたてのガムテープの匂いで充満してましたが、それもじき消えるでしょう。
ハイネ達が既に10mほどのホースを2本設置していてくれたので、それらの水回り系がきちんと作動するか、まずは確認。
その後、乳液作りのための実験器具を設置。
乳液 1 try-out
これまで試作してきたものと基本的には同じレシピ。
香料の配合値と効果を確認するための try-out。
- 乳化剤Tegomuls 8g
- アーモンド油(精製)34ml
- 蒸留水 120ml
できあがり約150ml
香料(それぞれ10gに対し)
[version 1]
- Iceland Mossエキストラクト(自製) 10滴
- 杉苔エキストラクト(自製) 5滴
- Iceland Mossエキストラクト(自製) 3滴
- 杉苔エキストラクト(自製) 2滴
- 山苔エキストラクト(自製) 1滴
* 使用したスポイトでは、1ml = 約38滴
結果
version 2 に使用した山苔エキストラクトには非常にsharpなトップ・ノートがあり、それが少しきつい。
自然な山苔ではそれも森の湿った匂いとして余興となるのですが、
濃縮されているとそればかりが気になってしまう。
なので、version 1 に旗が上がる。
乳液 2 try-out
Iceland Moss の煮出し液を蒸留水代わりに使い、
香料のみに頼らない匂いづけを匂いを試みます。
同時に、乳液のテキスチャーの調整を試みます。
これまでの試作ではジェル化剤を配合していませんでしたが、
キサンタンガムという、ハイネ達が日本で仕入れてきた植物性のジェル化剤を使ってみることにしました。
- Iceland Moss 煮出し汁 100ml
- アーモンド油(精製) 15ml
- 乳化剤Tegomuls 小さじ1
- ジェル化剤(キサンタンガム)半包
結果
モスの煮出し中にその匂いが空間に充満する効果があるので、一石二鳥。
香料を加えなくても、多少のモスの匂いが乳液についている。
とろみもちょうどいい。
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